手術でも入院期間は1~2日、治療は症状の程度で選択できます

投稿者: | 2009-05-24

痔の治療は、患部に応じてその場所や程度などにより治療に選択される方法が変わってきます。
痔核や裂肛は手術しないで治癒させるのが基本となります。治療の中心はやはり保存的治療により、手術する割合は全患者さんの20%前後でしょう。
痔核の場合、内痔核が排便により外に出ることがよくありますが、排便後元に戻るようであれば大抵手術の必要はありません。
◆内痔核の治療
1)生活指導や薬物などの保存的治療
2)ゴム輪結さつ術
3)注射療法(硬化療法)
4)PPH法
5)半導体レーザー療法
6)結さつ切除術
以上の治療法うちから適したものを選択します。外痔核も手術をしないことが多く、投薬で様子を見て、腫れが引かない場合は小手術を施します。痔の手術には、最近開発された「半導体レーザーメス」が大きな力を発揮してくれます。
◆裂肛の治療
裂肛の治療は古い慢性の潰瘍ができている場合は手術します。通常はまず便通調整をして、局所の清潔を維持しながら、軟こうの注入などを行っていきます。それでも効果がない場合は、狭い肛門を拡張して切れないようにします。
1)指で肛門を広げる用手肛門拡張や内括約筋一部切開、
2)側方内括約筋切開法(LSIS法)
3)皮膚弁移植術(SSG法)
などの手術を行います。
傷口は肛門の皮膚をずらしながら縫い合わせます。
◆痔ろうの治療
痔ろうの治療は、基本的に手術となります。
手術としては
1)切開開放術
2)括約筋温存術
などや膿のでてくる管にゴムひもを貫通させる「シートン法」が行われます。
以前、痔の手術をすると長期間の入院がだいたい必要でした。現在では入院が必要な場合でも、大半は1~2日程度の短期間で退院できます。もし症状が軽いようならば日帰りも可能となりました。以前と比べると痔の手術も簡単に受けられるようになつています。
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