痔核は肛門のうっ血、裂肛は固い便により肛門が切れる

投稿者: | 2009-06-27

痔核は肛門にイボのようなものができたものです。日本人には最も多いタイプですが、ストレスや不規則な食生活などによる慢性的な便秘などが原因でおこります。肛門には表面の粘膜と括約筋の間に、静脈そうという血管が集まった部分があります。この部分は肛門を閉じるクッションの役割をしています。

このクッション部分がうっ血してイボのように腫れてきます。または支える筋肉が弱くなって肛門の外に出てくるのです。妊婦にもよくみられます。排便のとき便がなかなかでないためにりきむので、肛門のまわりにある静脈がうっ血して血液がたまった静脈が集まって痔核になります。

内痔核とは歯状線(直腸と旺門の境界部分)より奥にできますが、外痔核の場合は歯状線より外にできます。外痔核の特徴は、触ると固いしこりのようなものができています。一方内痔核の場合は症状が重くなるにつれて、痔核がだんだん肛門の外へ出てくるようになります。
痔核 内痔核 外痔核
痔核の症状は
1)排便時には外に出ているが、また自然に元に戻る

2)指で押し込まないと元に戻らない

3)指で押し込んでも戻らない

という具合に症状がだんだんと進行していきます。

痔核が進行して指で押し込んでも戻らなくなると、これを「脱肛」とよびます。
裂肛とは固い便が肛門を通過する際に肛門上皮が切れてしまう症状をいいます。切れ痔ともよばれ肛門に傷ができてしまいます。このよく知られている裂肛も、最大の原因は便秘によって便が硬くなるせいです。肛門部には痛みを感じる知覚神経が集中しているため、小さな傷でも非常に強い痛みを感じ、排便後も痛みが続くことがあります。排便時に出血を伴うこともありますが、出血の量は多くはありません。

排便の際に痛みがあると排便を避けるようになり、便秘の悪化⇒便が硬くなる⇒排便の痛みの増加 という悪循環をくりかえすようになります。
裂肛により切れた部分に雑菌が入った場合、痔ろうになることも少なくないので肛門を清潔に保つなど注意が必要でしょう。